コラム「相続放棄申述受理通知書で相続登記はできる?|大阪家裁の書式の違いから」 ご相談は堺市堺区の司法書士吉田法務事務所へ

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コラム

コラム142 「相続放棄申述受理通知書」で相続登記はできる?(不動産登記)


「相続放棄」をした人がいる場合の登記原因証明情報


相続放棄をした相続人がいる場合、「受理通知書だけで手続きできるのか、証明書を取らないといけないのか?」という点で、質問をよく受けます。

本ページでは、相続放棄と相続登記の関係、相続登記で必要となる書類(通知書・証明書)の違いを、大阪家裁の実例も見ながら解説します。


「相続放棄申述受理通知書では不可」という従前の考え方


家庭裁判所で相続放棄の手続きが終わると、裁判所から「相続放棄を受理しました」という書類が送られてきます。これが「相続放棄申述受理通知書」で、申請をしなくても、自動的に送られてくる書類です。

家庭裁判所によって通知書の書式が違い、大阪家裁本庁のように、切手の返還書を兼ねている裁判所もあります。

長い間、不動産登記の実務では「相続放棄申述受理通知書では、相続登記ができない」とされていました。

相続の放棄をした者がいる場合における相続を登記原因とする所有権の移転登記の申請には、相続放棄申述受理通知書を登記原因を証する情報の一部とすることはできない (登記研究720号205頁)。 

「相続放棄申述受理証明書が必要となる」というのが結論でした。


「相続放棄申述受理証明書」を取得するには


「相続放棄申述受理証明書」は、相続放棄の申述受理通知書が届いた後、収入印紙150円を貼って、別途家庭裁判所に申請しなければ、発行されません。

受理証明書の申請は、相続放棄をした本人の他、他の相続人が利害関係人として行うこともできます。

利害関係人から申請する場合の必要書類としては、被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本コピーと、申請者の戸籍謄本コピー、本人確認書類のコピーです。

但し、事件番号が分からない場合は、事前に「相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会」が必要となります。


「相続放棄申述受理通知書でも可(条件あり)」という運用


司法書士や法務局で専門書として読まれている『登記研究808号(平成27年6月号)』で、「相続放棄申述受理通知書でも可」という見解が出ました。

相続を原因とする所有権の移転の登記の申請において、相続放棄申述受理証明書と同等の内容が記載された「相続放棄等の申述有無についての照会に対する家庭裁判所からの回答書」や「相続放棄申述受理通知書」を、登記原因を証する情報の一部とすることができる(登記研究808号147頁)。

結果として、収入印紙150円を別途用意して「受理証明書」を請求しなくてもいい、ということになります。

但し、全面的に利用ができる、ということではなく、「受理証明書と同等の内容が記載されていること」という条件があるため、「同等の内容とは、どこまでのことを言っているのか」という部分で注意が必要です。


「相続放棄申述受理通知書」の記載内容は、管轄の家裁によってさまざま


「相続放棄申述受理証明書」の記載内容は全国統一ではなく、裁判所によって異なります。

大阪家裁(本庁)  被相続人の氏名、申述人の氏名、受理の日(R7事例) 
大阪家裁堺支部  被相続人の氏名・本籍・死亡年月日、申述人の氏名、受理の日(R7事例) 
大阪家裁岸和田支部  被相続人の氏名・死亡年月日、申述人の氏名、受理の日(R7事例)  

一方、大阪家裁本庁での受理証明書には、「被相続人の氏名・本籍・申述人の氏名」が入っています。


堺市の司法書士吉田事務所の取扱い事例から


不動産の相続登記がある場合は、遺産分割協議で「相続をしない」と決める場合が多いため、相続登記と並行して、相続放棄のご依頼を受ける事例は、極端に少ないです。

そのため、「法務局がどこまでの内容を、申述受理証明書と同等の内容」と考えているのか、確実なことは分からないものの、岸和田支部と同じ内容となる4点の記載(=被相続人の氏名・死亡年月日、申述人の氏名、受理の日)で、相続登記が受理された事例があります。

つまり、「被相続人の本籍地が入っていなくても、登記原因を証する情報として足りる」と判断されたことになります。

一方、令和7年現在、本人申請用に、大阪法務局堺支局で用意されている相続登記の必要書類一覧では、「相続放棄申述受理通知書は使用できません」と記載されています。


★司法書士吉田事務所からのご案内


相続放棄を用いる理由としては、

・相続手続きに関与したくない(書類に実印を押印したり、印鑑証明書を出すのが煩わしい)
・負債があるので相続放棄するものの、特定の相続人が債務を引き受けると共に、不動産を相続する

といったケースが考えられます。

堺市の司法書士吉田事務所では、相続登記の中でも、遺産分割協議による相続登記の他、家庭裁判所での相続放棄を伴う相続登記も取り扱っています。

相続手続き、相続登記、相続放棄は、堺市堺区、三国ヶ丘徒歩4分の、司法書士吉田事務所にご相談下さい。

                              (最終更新 令和7年12月6日)

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                                  司法書士 吉田浩章
                                             
このコラムは、ご参考までに情報を提供しているものです。
当司法書士事務所への、ご依頼を前提としないお問い合わせはご遠慮ください。
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