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コラム

コラム62 複数の再転相続が発生した場合の相続放棄(相続放棄)

再転相続の相続放棄


再転相続とは、相続人が承認・放棄をしないまま、熟慮期間中に相続が発生した場合のことをいいます。

例えば、下記のような場合です。

祖父死亡(2月1日)
→祖父の相続について、承認・放棄をしないまま、相続人父死亡(3月1日)
 

この場合、子は、祖父の相続について、相続放棄をすることができます。

但し、父の相続放棄をした上で、祖父について相続をすることはできません。


再転相続が複数の場合の相続放棄 


再転相続が一度だけの場合については、たくさん情報が出ています。

では、再転相続が複数回生じている場合(再々転相続の場合)も、子は代を遡って相続放棄をすることができるのか、というのが、このページの論点です。

例えば、下記のような場合です。
 
祖父死亡(2月1日)
→祖父の相続について、承認・放棄をしないまま、祖母死亡(3月1日)
→父が祖父の相続について、承認・放棄をしないまま、父死亡(4月1日)


この場合、子は、祖父の相続について、相続放棄をすることができるのか。

つまり、再転相続が2回発生している場合(再々転相続の場合)の、相続放棄が可能であるかどうか、です。


民法の条文と考え方 


民法916条では、下記のとおり定められています。

相続人が相続の承認又は放棄をしないで死亡したときは、民法915条の期間は、その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から起算する。 


民法916条では、再転相続が複数発生した場合のことは、書かれていませんが、結論として、再転相続が2回、3回と発生した場合でも、理論上、相続放棄は可能です。

※但し、「再転相続以外の相続放棄の要件は満たしていること」を前提とします。

第1の相続人が承認・放棄する権利を第2の相続人が引き継ぐ、と考えます。


東京高裁の決定(令和6年7月18日) 


再転相続が複数回発生した時の相続放棄の可否について、直接論じられたものではないものの、令和6年7月18日の東京高裁の決定が、参考になります。


第1相続:弟B死亡
第2相続:弟の相続人兄H死亡
第3相続:Hの相続人は、その妻Cと子A、I、D 
第4相続:Iの相続人は、その妻E、子F、G
 

このような前提のもと、第4の相続人E、F、Gが、再転相続人として、第1相続について相続放棄の申述をし、いずれも受理された、とされています。


当事務所の取扱い事例から 


司法書士吉田事務所の取扱い事例でも、複数回の再転相続があった事例について、相続放棄は受理されています。

上の代から下りて来る相続と違い、子供さんがおられない夫婦をまたいで、配偶者側の兄弟姉妹が相続人になる、という複雑な相続関係にありました。

第1の相続が発生してから、年月も経っていましたが、第2の相続人が、第1の相続開始を知らなかったであろう事情の説明書も作成し、申述書を提出したところ、受理されています。

申述の理由の中では、「再転相続人の相続に関する権利を引き継ぎ、相続放棄の申述をする」旨、記載しています。

但し、第1の相続人以下が、すでに相続を承認していれば(法定単純承認も含む)、下の代の相続人が、再転相続人として相続放棄をすることはできないため、さまざまな事情が混ざり合った、特殊な事例です。

まとめとして、

1.再転相続が複数生じていることをもってのみ、家庭裁判所で相続放棄が受理されない、というわけではないこと
2.あくまでも、相続放棄が認められる、個別の要件を満たすことが前提であること

という結論になります。


★司法書士吉田事務所からのご案内


堺市の司法書士吉田事務所では、相続放棄の中でも、さまざまな事例を取り扱っています。

令和7年11月時点の相続放棄の申立件数は、179件です。

亡くなられてから何十年も経ってから、法務局や役所から、かなり前の代の方について、不動産に名義が残っている、という通知がきっかけで、相続開始を知られる、というケースも、増えてきました。

中には、書類で被相続人と表示されている方の「名前も聞いたことがない」と言われるケースもあります。

相続放棄の書類作成のことは、堺市堺区、三国ヶ丘駅徒歩4分の、司法書士吉田事務所にご相談下さい。

                                                (最終更新 令和7年11月22日)

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このコラムは、ご参考までに情報を提供しているものです。
当司法書士事務所への、ご依頼を前提としないお問い合わせはご遠慮ください。
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