司法書士吉田法務事務所
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吉田浩章
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コラムコラム141 「相続分の放棄」を含む遺産分割による相続登記(不動産登記)「相続分の放棄」を含む調停・審判の場合は相続登記可能「相続分の譲渡」「相続放棄」と違い、「相続分の放棄」を含む遺産分割に基づく相続登記については、情報量が一気に少なくなります。 弁護士さんが書かれた「相続分の放棄」に関する記事は出てくるものの、司法書士が不動産登記上の取扱いに触れた記事は、ほとんどありません。 「相続分の放棄証書」のひな型は、裁判所のホームページにも出てきますので、遺産分割の調停上では、「相続分の放棄」は、日常的に用いられている手段なのだと思われます。 「相続分の放棄」にまつわる調停や審判による場合の相続登記の先例としては、登記研究819号の189ページに出ています。平成28年5月号です。
つまり、登記研究では、調停や審判の場合は、「相続分の放棄」が含まれていても相続登記は可能、と書かれています。 「相続分の放棄」を含む遺産分割に関する先例は見当たらず調停や審判の場合は、「相続分の放棄」が含まれていても、相続登記はできる。 しかし、「相続分の放棄を含む、遺産分割協議による場合」の相続登記に関する先例がありません。「できない」とする先例もありません。 『司法書士のための遺産承継実務(日本加除出版)』の103ページには、下記の記述があります。
相続に関与することを望まれないのであれば、家庭裁判所で相続放棄をすればいい、というのは原則論として、相続人としては、相続分の放棄証書に実印を押して相続関係から離脱できるのか、家裁で正式な相続放棄の手続きしないといけないのか、は大きな違いです。 当事務所の取扱い事例から堺市の司法書士吉田事務所の取扱事例としては、「相続分の放棄」を含む遺産分割協議書で、相続登記が受理された事例は複数あります。 法務局から問われた時用に、登記研究の記事と共に、「調停や審判の場合は相続登記ができて、遺産分割の場合にできないのは、どうしてでしょうか」「実印を押した書類と、印鑑証明書があるので、相続しない意思は明確だと思われます」というメモを、手元に用意していました。 結果、いずれも、すんなりと通してもらえたわけではなく、法務局といろいろと話をする中で、原則的には認められない運用であり、法務局も処理に困られていた、と理解しています。 ある法務局では、相続分の放棄証書に書き込みしないと通せない、という見解であったため、補正に従いました。 登記上は難しいのが分かっていて、「相続分の放棄」事案が複数あるのは、相続人の方の意向として、「あくまでも放棄であって、譲渡ではない」というご意思があったためです。 「相続分の放棄」の方も含め、登記の協議書に印鑑をいただくのが理想相続登記を伴わない場合(=相続財産に不動産が含まれない場合)は、「相続分の放棄証書」を抵抗なく使っていますが、不動産がある場合、相続登記を取り扱う司法書士としては、これからも困る機会が出てきます。 「放棄するから、印鑑を押す」と言われている相続人さんに、「法務局は、相続分の放棄という方法は使わせてくれないんです」という説明が届くかどうか。難しい問題です。 結論として、司法書士としては、「放棄」と主張される相続人も含めて、遺産分割協議書に印鑑を押していただく形で相続登記の申請をするのがベター、ということになります。 「相続分の放棄」と、家庭裁判所で行う「相続放棄」はまた異なりますなお、本ページで解説している「相続分の放棄」と、家庭裁判所で行なう「相続放棄」は、異なります。 家庭裁判所で行う相続放棄であれば、相続放棄申述受理証明書(内容によっては、相続放棄申述受理通知書でも可=登記研究808号P147)を添付することで、相続登記は問題なく行うことができます。 また、「相続分の放棄」は、家庭裁判所で行う相続放棄とは違い、相続債務の返済義務を逃れられるわけではありませんので、その点もご注意下さい。 ★司法書士吉田事務所からのご案内相続人が少ない場合は、基本的に、遺産分割協議書を元に手続きを進めていますが、「相続分の譲渡」や「相続分の放棄」は、相続人の皆さんの意向が固まる前に、相続の当事者から抜けていただくために、使うことがある方法です。 堺市の司法書士吉田事務所では、相続関係者が多い場合の相続手続きも、お受けしています。 相続手続き、相続登記は、堺市堺区、三国ヶ丘徒歩4分の、司法書士吉田事務所にご相談下さい。 (最終更新 令和5年7月6日) 堺市の司法書士吉田法務事務所 司法書士 吉田浩章 このコラムは、ご参考までに情報を提供しているものです。
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