コラム「異なる司法書士が連件でオンライン申請」　ご相談は堺市堺区の司法書士吉田法務事務所へ

大阪や京都を中心として行われている、司法書士が売主側・買主側で「分かれる」不動産取引。

個人的には、「お客様が選んだ司法書士」に、それぞれが報酬を支払う、という面では、合理的だと考えています。また、お客様の都合ではなく、仲介業者との関係で「分かれ」になることが多いため、司法書士としては、準備がスムーズに進む。「いつものやり方」で進む、というメリットもあります。

「分かれ」になる取引形態は、

１．売主側にはＡ司法書士が代理人となり、住所変更登記や抵当権抹消登記の申請をする。
２．買主側にはＢ司法書士が代理人となり、所有権移転登記の申請をする、という場合は珍しくありません。

また、
１．所有権移転登記はＡ司法書士が登記申請する。
２．抵当権設定登記はＢ司法書士が登記申請する、というケースもあります。

昔ながらの『紙申請』の場合は、法務局で時間を合わせて待ち合わせをして一緒に提出する、もしくは、後件の司法書士に書類を預ける、という方法で登記申請をしていますが、片方の司法書士が『オンライン申請を使いたい』と希望した場合の取り扱いです。

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１．Ａ司法書士は、先にオンラインで登記の申請情報を送信する。
　『その他事項』欄に、「本件所有権移転登記と、年月日付で後に申請される抵当権設定登記（代理人司法書士Ｂ）は連件扱いとされたい」旨を記載しておく。
　→但し、この記載が必須であるのは、添付書類を援用する場合のみです。

２．Ａ司法書士は、Ｂ司法書士に、受付番号を伝える。

３．Ｂ司法書士は、オンラインの登記申請情報、『その他事項』欄に、「本件抵当権設定登記と、年月日受付第〇〇号（代理人Ａ）申請の所有権移転登記の申請は、連件扱いとされたい」旨を記載しておく。

※但し、Ａ・Ｂの申請間に他の登記が入る可能性は高いため、受付番号は離れます。
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当事務所では、売主側、買主側両方の司法書士の立場で経験していますが、基本的には、相手側司法書士の方針に合わせます。

抹消書類を取引終了後に取りに行くようなケースでは、待ち合わせは面倒ですし、かといって、権利証を紛失されており、本人確認情報の作成が必要な場合は、オンライン登記申請システムの構造上、紙申請優先となります。

なお、最近では、特定の金融機関が、所有権移転に伴う抵当権の抹消登記を行う場合に、「指定の司法書士」でないと取扱いをさせない、方針を取られています。

依頼者の方にとっては、「なぜ違う司法書士から連絡が来るのか」と戸惑われるところですが、この場合、住所変更登記はＡ司法書士、抵当権抹消登記はＢ司法書士、所有権移転はＡ司法書士、抵当権設定登記はＣ司法書士となることがありますが、依頼者の方や金融機関には不都合がないよう、司法書士同士で連絡を取り合って進めています。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（最終更新　令和５年５月２５日）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　堺市の司法書士吉田法務事務所
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　司法書士　吉田浩章