司法書士吉田法務事務所
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吉田浩章
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コラムコラム130 金融機関・銀行の商号変更と取扱店の変更(不動産登記)抵当権や根抵当権の設定登記をする際、金融機関・銀行の名称、本店のほか、取扱店名の登記もできるとされており、取扱店の登記ができる金融機関・銀行については、取扱いの支店名の登記をされるのが一般的です。
しかし、金融機関・銀行の合併や社名変更に伴い、登記されている金融機関・銀行の支店名が変更となり、「取扱店」の表示にも変更が生じることがあります。 例えば、「取扱店 三国ヶ丘支店」と登記されていたところ、「取扱店 三国ヶ丘駅前支店」と変更になるような場合です。 取扱店の変更登記については、「登記原因証明情報が必要なのかどうか」という論点がありますが、これについては登記研究で明確にされています。 ★登記研究689号(平成17年7月号) 「取扱支店の変更等による抵当権の変更の登記を申請する場合には、登記原因証明情報を提供する必要がある」 ★登記研究692号(平成17年10月号) 「抵当権の設定の登記に記録されている取扱店が変更され、もしくは登録された事項に変更があった場合、または取扱店の記録を新たに追加する場合において、その旨の抵当権の変更の登記を申請するときは、登記原因証明情報を提供しなければならない」 ↓ 解説として、「取扱店の変更登記においても、店舗の統合等で変更された場合、取扱店の名称が変わった場合等、その登記原因は本来存在するものです」「法令に登記原因証明情報の添付を要しないとする別段の定めがない以上、登記原因証明情報の提供を要するものと考えられます」とあります。 結論として、取扱店が変更になった場合には、登記原因証明情報を添付した上(司法書士が作成した書式に、金融機関・銀行に捺印してもらう)、抵当権・根抵当権の変更登記を申請しています。 但し、「取扱店 ○○支店」と登記されるだけで、変更の年月日は登記されません。 また、抵当権者・根抵当権者の単独申請で登記は行われます。設定者(土地建物の名義人)の印鑑は不要です。 一方、抵当権者・根抵当権者である金融機関・銀行の社名(商号)が変更になった場合、抵当権者・根抵当権者である金融機関・銀行の名称変更の登記をします。 では、『商号の変更と同時に取扱店の変更登記をする場合、商号の変更と取扱店の変更登記を1本の申請で行なえるかどうか』。 この点、明確にされた先例は見当たりませんが、今までの例では、管轄の法務局によって、異なる取り扱いがされています。 1.商号変更登記に添付する委任状に、変更後の取扱店を記載しておくことで、商号の変更登記と取扱店の変更の登記は、1つの申請で登記することができる(→平成29年の事例)。 2.商号の変更登記と取扱店の変更登記は、1つの申請で登記をすることができるが、取扱店変更に関する登記原因証明情報は必要。 金融機関・銀行によっては、登記原因証明情報の必要性を理解してもらえず、「いつも頼んでいる司法書士は要らないと言っている」ということで、押し問答になることがありますが、「管轄によって判断が異なる」というのが現状のようです。 いずれの場合も、登記簿には、変更後の事項として、「商号・取扱店」が登記されます。 (最終更新 令和1年9月21日) 堺市の司法書士吉田法務事務所 司法書士 吉田浩章 このコラムは、ご参考までに情報を提供しているものです。
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