司法書士吉田法務事務所
〒590−0024
堺市堺区向陵中町4丁4番7号 TEL 072−254−5755 FAX 072−254−5788
堺市堺区の司法書士 三国ヶ丘駅近く |
代表司法書士
吉田浩章
(大阪2130号)
司法書士吉田法務事務所
〒590−0024
大阪府堺市堺区向陵中町 4丁4番7号 TEL 072−254−5755 |
コラムコラム53 合併時の個別催告省略のためのW公告(会社登記)合併の債権者保護手続きは「官報公告」と「個別催告」が基本会社が合併する際、会社法では、債権者保護手続きを義務付けています。 具体的には、 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1.官報で公告すること、かつ 2.会社の知れたる債権者には、個別に催告すること −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− この2つです。 但し、「官報のほか、会社が定款で定める公告方法で公告した場合は、個別に催告はすることを要しない」(会社法810条3項)という規定があります。 「官報」が「会社が定款で定める公告方法」である会社がほとんどであるため、個別催告を省略したい場合は、事前に、もしくは並行して、「公告する方法の定め」も変更する、ことになります。 「個別催告」が面倒な場合の二重公告官報と、官報以外の新聞で行う『二重公告』は、例えば、債権者数が多く、個別催告が煩雑になる場合や、「債権者」の線引きが難しいため、債権者への個別催告が漏れたことにより、後日、合併手続の無効を主張されることを避けたいような場合に、用いられています。 但し、費用は余分にかかりますので、メリット・デメリットを踏まえて、会社に判断してもらいます。 「二重公告」の具体例A◎具体例A ・A社、B社(解散会社は有限会社)共に、元々の公告方法は「官報」 ・8月9日、A社の決算公告申し込み(B社は有限会社のため、公告義務なし) ・8月19日、A社の合併公告を「甲新聞」に申し込み ・8月26日、A社の決算公告及び合併公告(連名)を官報に掲載 ・8月26日、B社の債権者への個別催告書発送 ・8月27日、A社の定款方法→公告方法を「甲新聞」と変更→8月27日登記 ・8月30日、A社の合併公告を「甲新聞」に掲載 ※「甲新聞」の合併公告に記載する「官報による決算公告の掲載ページ」は、26日ならないと分からないため、ギリギリになることを甲新聞が了解済みのスケジュール。 ・10月1日、合併期日 本例では、官報にてA社の決算及び合併公告をした後に、公告する方法を「官報」から「甲新聞」に変更。「甲新聞」で公告することが、個別催告を要しない場合に該当するのかが気になったため、事前に法務局に照会をかけています。公告方法を変更した後に、改めて官報で公告し直す必要はない、ということでした。 公告費用は、官報でのA社の決算公告と両社の合併公告で、118,252円。 A社の甲新聞での合併公告(二重公告)で262,500円です(N紙の94,815円の見積もりも取っていました)。 この事例では、甲新聞での公告費用262,500円と、公告する方法の登記費用(登録免許税で3万円)の費用を負担しても、二重公告を選択されていますが、B社については、債権者漏れの心配がないということで、個別催告を採用されています。 「二重公告」の具体例B◎具体例B ・A社、B社共に、元々の公告方法は「官報」 ・2月23日、両社の決算公告申し込み ・3月14日、官報にて両社の決算公告 ・6月20日、両社で定款変更→公告方法を「乙新聞」と変更→同日登記 ・6月20日、合併公告申し込み(乙新聞分も、株式会社かんぽうが取り次ぎ:令和3年の事例) ・7月17日、「官報」で合併公告 ・7月17日、「乙新聞」で合併公告 ・9月1日、合併期日 公告費用は、A社の決算公告(官報)が111,497円、B社の決算公告(官報)が74,331円。費用の違いは、枠のサイズによります。 合併公告は、官報が両社分連名で71,786円、乙新聞が両社分連名で275,000円でした。 このケースでは、乙新聞の合併公告費用275,000円と、「公告する方法」を変更するための登記費用(登録免許税だけで3万円×2社分)を余分に支出されても、債権者への個別催告を避けられる方法を選択された、ことになります。 ※同新聞であっても、公告費用が変わっていることもあります。 公告方法の変更登記のタイミング(登記研究905号P155)公告方法の変更と、変更後の公告方法による公告のタイミングについては、登記研究905号の質疑応答に見解が示されています。 【要旨】
変更の日ではなく、「変更登記の申請日(受付日)」で判断する、と書かれています。 「変更の決議を行っていても、変更の登記をしていない限りダメだ」ということです。 この見解を元に、具体例Aを見ると、8月27日に公告方法の変更登記の申請→8月30日に変更後の新聞で公告。具体例Bを見ると、6月20日に公告方法の変更登記の申請→7月17日に変更後の新聞で公告をしていますので、質疑応答の要件は満たしていたことになります。 公告方法の定め方の注意点なお、公告方法の定め方として、「官報又は〇〇新聞」という定め方はできない、とされています。 「株主リスト」の作成者に注意吸収合併の場合、株主リストの作成者は、消滅会社についても「吸収合併存続会社の代表取締役」とされています。 「債権者から異議がなかった旨の書面」は、合併期日の前日に、消滅会社分は消滅会社に証明してもらうようにしています。 (最終更新 令和5年7月22日) 堺市の司法書士吉田法務事務所 司法書士 吉田浩章 このコラムは、ご参考までに情報を提供しているものです。
当司法書士事務所への、ご依頼を前提としないお問い合わせはご遠慮ください。 合併、会社の登記のご相談は、堺市堺区・三国ヶ丘の司法書士吉田法務事務所へ
★ご相談の予約は、来所予約フォームか、公式LINEアカウント(@y5755)をご利用下さい。フリーダイヤル(0120−392−783)は、初回面談予約専用ダイヤルです。 ★お電話によるご相談には対応しておりません。ご質問は、お問い合わせフォームからお願いします。 ★三国ヶ丘駅には、JR阪和線・南海高野線・南海バス(南海本線堺駅、地下鉄御堂筋線新金岡駅)からアクセス可能。 駅前ロータリー(大阪信用金庫と餃子の王将側)を出て、ソフトバンクショップ手前を右に曲がって下さい。 ★車でお越しの方は、事務所の前にある「三井のリパーク」をご利用下さい。駐車券をお渡ししています。 ★主な業務エリア<堺市・大阪市・高石市・和泉市・泉大津市・岸和田市・大阪狭山市・富田林市・河内長野市等> |