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コラム85 同一本店同一商号の会社による合併登記(会社登記)

会社を特定する際、一般的には会社の「本店と商号」で判断します。

「同一本店同一商号」の登記はできないことになっていますので、本店と商号が同じであれば、同じ会社であろうと考えますが、

本店移転、商号変更、グループ会社内で合併や分割をすることによって、表向きは本店や商号が同一でも、中身は違う会社組織に変わっている場合もあります。

一番分かりやすい例が、三井住友銀行。

住友銀行は明治45年に設立され、平成13年に住友銀行とさくら銀行との合併の時に、「三井住友銀行」と商号が変更されましたが、その後、旧三井住友銀行は、平成15年に旧わかしお銀行に吸収合併し、解散しています。

旧わかしお銀行は、同時に「三井住友銀行」と商号変更したため、「三井住友銀行」の看板はそのまま。

会社の登記簿謄本を見ない限り気付かない事実ですが、他にもそのような例を見かけますし、私自身のお仕事でも同じようなことを経験しています。

平成15年以前に設定された三井住友銀行の根抵当権を抹消する際、

「東京都千代田区有楽町一丁目1番2号の三井住友銀行」から「東京都千代田区有楽町一丁目1番2号の三井住友銀行」への根抵当権移転(合併)の登記

を入れることになりますので、初めて書類を見た時は「え?」と思いましたが、会社の履歴事項証明を見てみると、組織の変遷が確認できます。


★参考メモ
・旧三井銀行
→平成2年4月1日太陽神戸三井銀行に商号変更→平成2年7月2日太陽神戸銀行を合併→平成4年4月1日さくら銀行に商号変更→平成13年4月2日三井住友銀行に合併して解散

・旧住友銀行
→平成13年4月1日三井住友銀行に商号変更→平成13年4月2日さくら銀行を合併→平成15年3月17日三井住友銀行(旧わかしお銀行)に合併して解散

・旧わかしお銀行
→平成15年3月17日三井住友銀行に商号変更→平成15年3月17日三井住友銀行(旧住友銀行)を合併して存続

                                                (最終更新 平成25年6月17日) 

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