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コラム

コラム79 法律上の相続放棄と事実上の相続放棄(相続放棄)

相続を「放棄する」という言葉の意味はさまざま


平成24年10月25日の読売新聞に『相続放棄 弟に強要』『「財産、相続権を放棄する」との法的根拠を持つ文書を弟に書かせた』という記述がありました。

仮に、「財産を放棄する、という文書を作って下さい」「財産権を放棄する、という文書を作って下さい」という依頼があった場合、司法書士としては、言葉の真意を確かめないと、業務に着手することができません。

あいまい過ぎるのと、法律的な言葉の使い方ではないためです。


 相続を「放棄する」という言葉が使われるシーン


「相続放棄」の言葉の用い方については、相談者の方と、専門家とで違う意味を指していることがあるため、日常業務の中でも、「放棄というのは、どちらの意味ですか?」と確認する場面があります。

1.法律上の「相続放棄」は、家庭裁判所に申し立てをして行う手続き。
  →財産の他、債務も相続しない。

2.相続人間で「自分は相続しない」という文書を取り交わすケース。
  遺産分割協議書を作成するのか、もしくは、相続分の放棄証書を作成することもあります。
  →債務がある場合は、債権者はその相続人に対しても請求できる。

今回の記事の文言を、司法書士業務の中で聞いたとすると、「文書を書かせたというだけであれば、それは、家庭裁判所で手続された相続放棄とは違うということですね?」という確認をしなければいけないシーンです。

家庭裁判所で手続された法律上の相続放棄なのか、話し合いの中で事実上なされた相続の放棄なのかで、その後の段取りも、相続の手続きに必要な書類も違ってくることになるためです。


「FPジャーナル」2023年10月号の誌上講座 


FPジャーナルの2023年10月号、誌上講座にも、「債務免除だけではない相続の放棄の活用」というコラムがありました。

長男が死亡。相続人が母のみの場合で、長女(被相続人の妹)に相続させたい場合、母が「相続の放棄」をすれば、次順位の妹に相続させることができる、という内容です。

内容はともかくとして、文章中の表現が全て「相続放棄」ではなくて「相続の放棄」となっており、この表現では誤解を招きかねない。法律の専門家が書いた文章とは、ちょっと違うな、と感じました。

文章全体から伝わる、違和感です。


民法の表現は「相続の放棄」 


ところが、民法を見てみると、「相続放棄」ではなく、「相続の放棄」という表現になっています。

民法915条(相続の承認又は放棄すべき期間)
 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
2 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。 

民法938条(相続の放棄の形式)
相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

民法939条(相続の放棄の効力)
相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。 


家庭裁判所で使われている表現


家庭裁判所のサイトを見ていると、さまざまですが、大阪家庭裁判所が出している「相続放棄の申述をされる方へ」という文書では、「相続放棄」という表現で統一されています。

ひな型一覧のタイトルでは、「相続の放棄の申述」「相続の承認又は放棄の期間の伸長」となっているものの、申述書自体のタイトルは、「相続放棄申述書」となっていました。

細かいことかもしれませんが、司法書士業務の都合上、「家庭裁判所で相続放棄の申述をされた」のか。もしくは、それ以外の意味で「相続を放棄した」と言われているのか、意味を取り違えると事故につながる。したがって、「相続の放棄」という言葉は使わないほうが無難、という話でした。


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                                                (最終更新 令和5年11月11日)

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