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コラム

コラム55 旧阪和銀行の抵当権抹消登記(不動産登記)

旧阪和銀行(清算結了登記済)の抹消登記の流れ


「株式会社阪和銀行」のまま残っている抵当権抹消のご依頼が続きました。

「阪和銀行」の前の商号は、「株式会社興紀相互銀行」です。

阪和銀行は、平成15年1月30日にすでに清算結了しており、会社組織としては存在しません。連絡先の窓口は整理回収機構となります。

まずは、整理回収機構に電話連絡の上、共同担保付の登記情報を提出。

その後で、整理回収機構から「抵当権抹消の依頼書」=『抵当権抹消登記のご依頼(抹消登記の承諾の確認)』が司法書士宛に送られてくるため、所有者である依頼者の実印を押してもらい、印鑑証明書を添付して提出。

依頼書は、「抹消書類を司法書士が受領することの同意書」を兼ねた形式になっています。

整理回収機構から、抹消することに関して「確認が取れた」旨の電話連絡があった後は、元清算人の弁護士に司法書士から連絡。

抵当権の解除に必要な書類は司法書士が作成の上、指定された元清算人の住所地に送付。


実費も含めて費用は申請人側が負担


元清算人に書類を送る際、返信用封筒と、登記済証がない場合は、元清算人(個人)の印鑑証明書発行の手数料として300円の収入印紙も同封します。

会社法人等番号では確認できない事項(本店や商号の変更)がある場合の閉鎖謄本は、申請人側で用意することになります。

★登記済証がない場合は、元清算人に協力してもらい、事前通知で抵当権の抹消登記を行います。


登記済み証がない場合は、元清算人住所宛ての事前通知


抵当権抹消に必要な登記済証がなく、事前通知が必要になる場合は、元清算人個人の印鑑証明書を添付。

「事前通知を、代表清算人〇〇〇〇の住所である△△市・・・・に宛てて送付することを希望」する旨、登記申請書の「その他事項欄」に記載しました。

そうすることで、法務局から発送される通知書が、旧阪和銀行の本店所在地ではなく、元清算人の個人の住所地に送られることになります。


 <参考>元清算人からの登記申請について(先例)


「元清算人」からの登記申請に関係する先例として、下記のものがあります。

考え方として、会社が清算結了前に履行しなければならなかった登記申請義務を、清算人が履行するもの、となります。
(登記研究480号132ページ)
株式会社の清算結了の登記前に売却によって所有権が移転した不動産を、清算結了の登記後、元清算人から、登記義務者たる清算会社を代表取締役して、清算結了の登記前の日付を登記原因日付として所有権移転登記を申請することができる。

なお、申請書に添付すべき印鑑証明書は、市町村長の証明した元清算人個人の印鑑証明書で足りる。                                          

「個人の印鑑証明書」というのは、清算結了登記が終わると、会社の印鑑証明書が発行されなくなるためです。

(登記研究151号48ページ)
抵当権抹消登記手続きを遺漏し、そのまま会社の清算結了した場合に、当時の清算人を代表者として右の抵当権抹消登記の申請があった場合、受理できる。

利害関係人として承諾書等に添付する印鑑証明書は、清算人個人のものである。


★司法書士吉田事務所からのご案内


抵当権の抹消登記の中でも、阪和銀行の抵当権抹消に関しては、通常の抵当権抹消手続きとは異なる進め方となります。

手間を要する分、抹消登記に必要な司法書士報酬は38,500円(登録免許税は別途必要)です。

堺市の司法書士吉田事務所では、阪和銀行を含む、抵当権抹消登記の手続きをお受けしています。

抵当権抹消の登記、根抵当権抹消の登記のことは、堺市堺区、三国ヶ丘駅徒歩4分の、司法書士吉田事務所にご相談下さい。

                                                (最終更新 令和6年2月18日)

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このコラムは、ご参考までに情報を提供しているものです。
当司法書士事務所への、ご依頼を前提としないお問い合わせはご遠慮ください。
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