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コラム

コラム95 オーバーローン状態の不動産の売却(不動産登記)

「オーバーローン」とは、不動産の評価よりも、不動産に設定されている抵当権で担保されている住宅ローン等の残高が大きい状態のことをいいます。例えば、不動産の売却価格が1,500万円に対し、住宅ローン残高が1,800万円残っているような場合のことです。

住宅ローンの残高がなかなか減らない中、中古の不動産の価格が大幅に上がっていくような状況にはありませんので、不動産の購入時に100%のローンを組んだ場合などには、起こりやすい状況とも言えます。

では、オーバーローンの状態。不動産の価値よりも住宅ローン残高のほうが大きい場合に、不動産を売却するにはどうすればいいか。

身内であるなどの特別な関係でない限り、抵当権が付いた状態の不動産を買う人はいませんので、不動産の売却の際には抵当権を抹消することになりますが、抵当権を設定している金融機関は、住宅ローンを全額返済しない限り、抵当権の解除をしないのが原則です。

結論として、売却代金とローンの残高の差額である300万円をその時に用意できなければ、事実上、不動産を売却することはできません。売却の時には、仲介手数料等の諸費用も必要ですので、その分の負担も見越して計算する必要もあります。

自分の家なのに、「手放したい」と思った時に売ることができない。
これが、オーバーローン状態になっている不動産の恐しさです。

以上が原則的な考え方ですが、住宅ローン残高の全額を返済しなくても、金融機関が抵当権を解除してくれる「任意売却」という売却方法もあります。

しかし、この任意売却をするためには、住宅ローンの返済を延滞されて、住宅ローン債権が元々の金融機関から保証会社に移転していることが前提となります。その際、信用情報には「延滞」「代位弁済」等の情報が登録されます。

信用情報にマイナスの情報が登録されることで、今後のローンの利用が難しくなることが考えられますので、最終手段としては任意売却という方法があるものの、簡単に利用できる手続きではない、ということになります。

                                                (最終更新 平成26年2月1日)

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