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コラム

コラム16 「万が一」を考えた予備的遺言(遺言)

遺言書で指定された方が、先に亡くなった場合 


「遺言者は、下記の不動産を、長男Aに相続させる」

という遺言書の内容は、ごく一般的な内容です。

ただ、遺言者が亡くられる前に長男のAさんが亡くなられると、「Aさんに相続させる」と記載した部分については遺言の効力が生じなくなり、他の相続人間で改めて、遺産分割協議をしなければならないことになります。

民法第994条【受遺者の死亡による遺贈の失効】

1.遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。 

条文上、「遺贈」となっていますが、「相続」の場合も同様です。

【平成23年2月22日最高裁判例】

遺産を特定の推定相続人に単独で相続させる旨の遺産分割の方法を指定する「相続させる」旨の遺言は、当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が、遺言者の死亡以前に死亡した場合には、当該「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係、遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから、遺言者が、上記の場合には、当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り、その効力を生ずることはない。  

平成23年2月22日の最高裁判例で、上記のように判断されましたが、実務の扱いのとおり、の内容でした。


「予備的な条項」の必要性 


遺言書で「相続させる」と決められた方が、先に亡くなられた場合、その部分については、遺言書の効力がなくなります。Aさんの相続人が、Aさんが相続する権利を、そのまま引き継ぐわけではありません。

そこで、もし長男のAさんが先に亡くなられた場合、

1.Aさんの子どもさん(遺言者のお孫さん)に相続させるのか
2.次男のBさんに相続させるのか             

を考えてみていただくことを、ご提案しています。

もちろん、「そういうことは考える必要がない」と言われるケースもあるでしょうし、「Aさんに続いて、Bさんも先に亡くなられたら・・・」ということを考え出すときりがありませんが、予備的な条項。二次的、三次的な条項を入れることも可能です。

せっかく作った遺言書が無駄にならないよう、最低限の「万が一」は想定した、予備的な条項を置いておかれることをお勧めしています。

民法第995条【遺贈の無効又は失効の場合の財産の帰属】

遺贈が、その効力を生じないとき、又は放棄によってその効力を失ったときは、受遺者が受けるべきであったものは、相続人に帰属する。

ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 

遺言書に予備的な条項を置いておきましょう、というのは、民法の条文でいう「別段の意思表示」をしておきましょう、ということになります。

予備的な条項を入れた遺言書のことを「予備的遺言」。
または、補充遺言といわれます。


予備的遺言の条項例(妻が先に死亡した場合に備える)


予備的遺言の条項例としては、下記のような内容が考えられます。

私のすべての財産を、妻甲に相続させる。
但し、妻甲が私の死亡以前に死亡した場合は、妻の甥乙に遺贈する。 

子供さんがおられない夫婦の場合、兄弟姉妹が相続人になります。

兄弟姉妹(甥姪)もおられない場合、最終的に「国庫に帰属する」ということになりますので、第二順位で相続して欲しい人を定めておきます。

兄弟姉妹や甥姪がおられても、関係が疎遠で渡したくない。連絡も取れない、ということも考えられます。関係が遠くなると、特に、遺言書の内容に配慮しておかないと、残された方が大変です。

この例では、「妻の甥」は、法定相続人ではないため、「相続させる」ではなく、「遺贈する」という表現になります。


予備的遺言の条項例(受遺者の法定相続人に対して) 


予備的な遺言書の原稿、下記のような定め方をしたこともあります。

私のすべての財産を、甲に遺贈する。
但し、甲が遺言者の死亡以前に死亡した場合は、私の相続発生時点における甲の法定相続人に対し、法定相続分の割合で遺贈する。

なお、本遺言書作成時点における甲の推定相続人は、ABCである。 

甲の推定相続人が、先に亡くなる可能性も考慮しての内容です。

年齢差を考えると、明らかに年長者が先に亡くならるように思える場合でも、突然の事故、の可能性もあります。


★司法書士吉田事務所からのご案内


過去に作成された遺言書に、予備的な条項がない場合は、遺言書の作り直しをすることも可能です。

複数の遺言書がある場合は、「内容が抵触する部分については、後の日付の遺言書が有効」とされています。

堺市の司法書士吉田事務所では、遺言書作成のご相談に関する手続きをお受けしています。

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                                                (最終更新 令和6年2月23日)

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