コラム
コラム8 未登記家屋の名義変更届(相続)
相続による「不動産の名義変更」というのは、法務局で行う手続きです。
しかし、建物のうち、特に古い建物については、法務局で登記がされていない「未登記の建物」というのが存在します。法務局で登記がされていなくても、管轄の役所では把握されており、「固定資産課税台帳」には記載がされている、というのが特徴です。
未登記の建物に関する名義変更の手続きは、まずは「表題登記」を入れて、その後に「所有権保存登記」をする、というのが正当な(所有権を「第三者に主張できる」という登記の対抗要件を備えられる)手続きですが、古い建物で将来売却することがない、将来は取り壊しをする予定である、といった場合、便宜上、役所に家屋の名義変更届だけを出して、法務局では登記を行わない、という場合も多いです。
未登記建物の名義変更に関する必要書類は、所定の届出書類の他、各自治体によって異なります。
■堺市の場合
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書
・遺言の場合は、遺言書の写しのみ
・新名義人の住民票(堺市以外の人の場合)
■和泉市の場合
・遺産分割協議書
・相続人全員の印鑑証明書
・法定相続人全員が分かる戸籍謄本(旧名義人の出生からの分)
・新名義人の住民票か戸籍の附票
■貝塚市
・相続した新名義人の印鑑証明書
・遺産分割協議書の写しは、「可能であれば」とされています。
→かなり簡素化されており、印鑑証明書が必要なのは『相続した人のみ』とされているのが特徴です。
■岸和田市の場合
・遺産分割協議書
・新所有者の住民票(市外の場合)
・戸籍謄本は、相続人全員が確認できるもの(被相続人は、出生から死亡までのもの)
・印鑑証明書は、相続人全員の分
※原本を提出。役所の窓口でコピーを取られ、原本が戻ってくる扱いです。
なお、各役所の取り扱いは、変更される可能性がありますので、最新の情報は、各自治体のホームページでご確認ください。
また、未登記建物について、名義変更届を役所に提出するだけの場合、固定資産台帳上の名義人が変更になるだけで、登記簿の名義は変わりません。
「自分が所有者である」という所有権の効力を、第三者に主張することができませんので、ご注意ください。
(最終更新 令和2年11月11日)
堺市の司法書士吉田法務事務所
司法書士 吉田浩章
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